パニック障害を克服するために、いくつか人間の体の特徴を知っておく必要があります。
特に重要なのが自律神経です。
自律神経についての知識をお持ちの方はこの回は読み飛ばしていただけたらと思います。
学校の保健体育で習った自律神経の知識くらいで十分です。
深く知りたい方は医療従事者が書かれた専門のサイトはたくさんありますのでそちらを参考にしてください。
自律神経とは
人間の神経は、体性神経と自律神経の二つに分類されます。
例えば、「右手を挙げてください」と言われたら、自分の脳が右手を挙げようと脳から指令を出して運動神経を介して動かすことができます。
意志に従って動かすことが出来るので、随意性の神経と言います。
では、「胃を動かしてください」と言われて、それではと胃を動かせる人は居ないと思います。
そうです。意志に従って動かすことが出来ない。このことを不随意性の神経と言います。
自律神経はこの不随意性の神経なのです。
つまり自分の意思でコントロール出来ないということです。
パニック障害はこの自分の意志でコントロールすることの出来ない神経の誤動作と言えるでしょう。
交感神経と副交感神経
次にこの自律神経は交感神経と副交感神経で成り立っています。
この二つは互いに拮抗していて、支配している内臓や血管を反対の作用を指令します。
交感神経は興奮している時に優位に立ちます。
心拍数は上がり、血管は拡張し、血圧が上がる方向へ作用します。
一方、副交感神経はリラックスしている時に有意に立ちます。
心拍数は下がり、血管は拡張し、血圧が下がる方向へ作用します。
もちろん他にもたくさんの作用がありますが、とりあえずここだけ理解していただけたら大丈夫です。
闘争か逃避か
交感神経は1929年アメリカの生物学者ウォルター・Bキャノンの言葉、「闘争か逃避か」という言葉によく表されます。
動物が恐怖に対面した時、自己防衛本能として交感神経系の神経伝達物質が放出され、闘うか逃げるかどちらかの準備をします。
パニック発作が起きた時、じっとしていられない感情に苛まれるのはこの交感神経系のホルモンの分泌からくると言えるでしょう。
自律神経の基礎知識はこのくらいとして。
自律神経に影響を与える人間の感情を考えていきましょう。
「不安」の感情は交感神経を優位にさせます。
「安心」の感情は副交感神経を優位にさせます。
前回書いた予期不安も、もちろん交感神経を優位にさせる感情です。
パニック障害に繋がります。
そしてパニック発作が起こると、また起こったらどうしようという感情になり、尚一層パニック発作が起きやすくなったり、頻度が多くなったりします。そしてより不安が強まります。完全に負の連鎖ですね。
パニック障害克服には、この自律神経の負の連鎖を断ち切らなくてはいけません。
逆に
この負の連鎖を断ち切ってしまえば、この苦しさから解放されます。
副交感神経優位の安心した時間を増やせば増やすほどパニック障害は起きりにくくなります。
まずはこの理屈を理解してください。
では実践編はまた次回。
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