はじめに
パニック発作が始まって収まるまで、動悸は必ず続きます。
今日はこの動悸についてのお話をしましょう。
パニック障害の動悸の話をする前に断っておきますが、動悸はパニック障害だけでなく、心臓の病気、神経の病気等でも起こることがあります。
今から書くことは、心臓の病気や他の疾患が無いのを前提として読んでいただきます。
その為にも、パニック障害だと思っても、心臓の検査や、脳の検査は必ず専門医から受けてください。
心臓や脳の疾患が無いことが診断されること自体も前回書いた予期不安を軽減させる要素の一つになります。
動悸のメカニズム
パニック発作時の動悸についてですが、やはり私もこれが一番嫌で、鼓動も大きくなるし、心拍数も激速になるので、このまま心臓破裂して死に向かうのではないかという不安をなお一層増強させるものです。
自律神経の回で、「動物が恐怖に対面した時、自己防衛本能として交感神経系の神経伝達物質が放出され、闘うか逃げるかどちらかの準備をします」と話をしました。
人がパニック発作のトリガーに遭遇した時もこれと同じ作用が起こります。
交感神経が優位になり、心拍数が上がります。呼吸は浅くなり、血管も収縮します。
悪寒が走ったり、震えが出たり、頭が回らなくなる作用もこのせいだと思います。
ただし、よく考えてみてください。
これは、あくまでも自己防衛本能なのです。
何か病気でそうなっているのではないのです。
私なりの『思考の矯正』
そのことを考えて、私はパニック障害を克服する過程で次のように考えていきました。
パニック発作が始まりそうな時、動機が始まります。
その時に
「心臓さんが、自分の身体中の血液が届いてないのを感知して頑張り出してくれているんだ」
「心臓さん頑張って、私の身体中に酸素を行き渡らせてくれてるんだ。もう少しして身体中に血液、酸素が行き渡ったら動悸は勝手に治ってくれるだろう」
って言い聞かすのです。
言い聞かすというよりは、それが事実ですから。
このことはとても重要なことです。
最初は死んでしまうのではないかという考えと、心臓さん頑張ってくれているんだっていうネガティブ感情とポジティブ感情が闘って、死ぬんじゃないかの感情が勝ちます。
それでもこれを言い聞かせる癖を何度も何度も挑戦していくと、ある日突然今まで出来なかったことが、パッと出来てしまうんです。
暴露療法を、何度も試している方もたくさんいらっしゃると思います。
この「心臓さん頑張ってくれてるんだ」の考え方を是非習慣化して、パニック発作を克服してくださいね。
今回はこの辺で。
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